-殻-

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2004年07月28日(水) 冷房

仕事場の冷房は、天井から吹き降ろす造りになっている。
僕の左隣には君がいて、君の真上に吹出し口がある。

涼やかな風は、君の狂おしい匂いを巻き込んで僕に流れてくる。
溜息をつく振りをして、君の匂いを胸いっぱいに吸い込む。


気が遠くなる。


このまま君を胸の中に留めたいのを堪えて、ふうっと息を吐く。


この季節、空調は一日中、朝から晩まで付けっ放し。
机に貼り付いている間はずっと、君の匂いから抜け出せない。


僕を狂わせる気か、この風は。


君を力尽くで抱き締めて、その匂いを貪りたい衝動を、
この暑い夏の間中、抑え込める自信がないんだよ。

でも、もし僕の理性とか社会性が弾けて、君を抱いてしまったら、
君は二度と僕に笑いかけることはないんだろうな。
それは分かってるんだ。


だから、
血を吐いてでも、僕は耐えなきゃならない。



君は僕のものじゃない。
君は僕のものじゃない。
君は僕のものじゃない。
君は僕のものじゃない。
君は僕のものじゃない。
君は僕のものじゃない。
君は僕のものじゃない。
君は僕のものじゃない。
君は僕のものじゃない。
君は僕のものじゃない。
君は僕のものじゃない。
君は僕の





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