一日後記

2010年01月31日(日) 祖父宅にて。

本来ならば今日はお通夜というところなのだろうが
諸々の事情で、その後の段取りを一週間の間に分けて執り行うことになった。


というわけで今日は、湯灌と納棺の日。


自宅を車で出たのが07:00、私の実家で少し休憩した後
両親を乗せて10:10出発。
常磐道柏IC〜圏央道稲敷ICを経由し
都心からバスで来た妹と姪っ子を拾いながら祖父宅へ着いたのが13:50。
見慣れた道を運転しつつも、近づくほどにハンドルが重く感じる。

3年ぶりに訪れた祖父宅の1階は、家具類がすべて母屋に運ばれたのか
2間ある部屋は襖も障子も取り払われ、廊下にも畳が敷かれ
広くなった部屋の奥に、祖父が寝ていた。

顔を見るのは去年の3月以来である。

年に似合わず180cm近い身長とがっしりした体つきをしていたはずだが
約1年の入院生活ですっかり痩せてしまい、一目では祖父と分からない。
顔なんか、3月の時よりひと回り小さくなってしまったように見える。

妹母子がひと足早く、15時過ぎのバスで帰ることになったため駅まで送り
バスに乗り込んだところまで見送り、再び祖父宅へ。

ひっきりなしに訪れる弔問客も落ちついた17:00頃
浅めのバスタブやお湯のタンクなどを持った葬儀屋さんが来て、湯灌が始まった。
納棺は父方の祖父で見たことがあったものの、湯灌に立ち会ったのは初めてだ。


遺体の肌を見せぬよう、体の上にバスタオルをかけたまま
バスタブ上に張られたメッシュ上のものの上に乗せられた祖父に
親族がひとりずつ、足から胸元にかけて柄杓でお湯をかける。

それが終わるとシャンプー・髭そりをしてもらい
今度はまたひとりずつ顔を拭いていく。
つやつやで血色の良かった顔が、ひんやり冷たくなったのが
指で触れて実感した時、不意に涙がこぼれた。


結局着ることがなかった山吹色のちゃんちゃんこを着せてもらい
(90の祝いの席で着ようと、祖父自身で用意していたという)
愛用していた木製の杖もお棺に納めた。
これで向こうで歩くことにも不自由しないといいなと思う。


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