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2005年09月18日(日)
■2×2=詩(ににんがし)賢治オンリーイベント。 ひとりの詩人限定オープンマイクというのは面白い試み。トークとか進行はまあ微妙なんですけれど(笑)、それもイベントのひとつの味のある雰囲気として楽しみました。オープンマイクがとにかくよくて、皆が持ってきたものがかぶったり、ぜんぜん違うセレクトだったりと、自然に賢治の様々な側面が浮かび上がっていました。 わたしは「ひかりの素足」という童話の一部を読みました。兄弟が地獄に迷い込むお話で、他の子供たちとともに足から血を流しながら剣の山へと鬼に追われているのですが、兄が弟を鬼からかばうと、ひかりの素足を持ったひとが現れるのでした。子供たちがひどいめにあっているのは、もちろん親より早く死んでしまった罪のためなんですけれど、そのひとが言うには、仏さまの徳の前では、おまえたちの罪はなんでもないことなんだよと。自分で自分を傷つけているだけで、剣に見えるこの地面は平らなんだ、ご覧、とその人が指すと、風景は天国に変わるのですね。やっぱり妹が天国で罪など背負わずに安らかにいられるようにと祈りを込めて書かれたのでしょうか、切ないお話です。地獄のお話はすごく好き。実際に地獄絵のような場所があると信じているわけではないんですけれど、こころのうちには映像としてしっかり収まっています。子供のころになまはげに威かされた、とかたぶんそんな感覚。 賢治のもので一番好きなのは星めぐりの歌です。あと銀河鉄道の鷺を食べる話。うーむ、重い思いをして図書館で借りて大きな本を持っていったのですが、所有している文庫にも入ってました。文庫で読んだ記憶がまったく。。大人になってから読んだものが、なかなか身体に染み込みにくいのはなぜなんだろう。 ■チェコのマッチラベル展 本屋でこの本を見つけ、アマゾンのウィッシュリストに追加しようかと思っていろいろ検索していたら、偶然展示会をやっているのを見つけて行ってきました。慌てて行ったので、カフェだっていうのを忘れていて、おしゃれな感じだったので入りずらかったー(笑)。根津の駅を出てモスバーガーの先を右に入ったところ。次回の展示会もよさそうなので行ってこようと思います。珈琲がまた美味しかった。それにしても、慌てていたのでマッチ箱の展示かと思っていたら、原稿の展示でした。立体じゃなかった。これだったらわざわざ来なくても、本を買った方がよかったかもとも思ったのですが、ケーキも美味しかったしまあよかったです。特別に復刻させたマッチ箱も売っていたので、おみやげに買って来ました。 で、お財布に無料チケットが入っているのを思い出して、ついでに日本橋高島屋の奥田元宋回顧展にも足を伸ばしてきました。このひとには風景がこういう風に見えているんだなあと思って、不思議な感じもしたのですけれど、その印象というのはとてもよくわかるのでした。見えているものと感じているものの両方を、ひとつのキャンバスに塗り込める、というのは言葉にするとああそうだなと思うのですが、実際対面してみるととても不思議な感じがしました。 ところで、日本橋に向かう途中の電車で本を読んでいたら、5駅も乗り越してしまいました。びっくりした。綿矢りさ、おそるべし(笑) ![]() |