気ままな日記
DiaryINDEX|past|will
むかしむかし、公団アパートの裏の公園が遊び場だった。 その中の、申し訳程度の小さな砂場で、友達とよく砂山を作って遊んだ。 日当たりの悪い公園だったので、砂はいつも黒く湿っぽく、崩れない山をつくるには、格好の材料だった。 砂山が完成すると、今度はトンネルを掘る。向こう側からと、こちら側から。 せっかくの三角の形が崩れないようにそうっと、時たま穴をのぞきながら。 やがて自分の手の先に、相手の手の動きがむくむくと感じられ、そして開通。がっちりと手と手を握りあう。 お互いに砂のこびりついた手は、湿っぽく、ザラザラとした感触ではあったけれど、やっとつながったといううれしさを、お互いに確かめ合うような、それはそれは、力強く、確かな手ごたえだった。
先日の話。 その人は、ひととおりわたしの話を聞き終わると言った。 「わたしはあなたの意地悪なところと、ブラックユーモアが好きだよ。」 「また来年お会いできますか?」 「そうだね、また来年・・・。」 差し出された手のふっくらとした暖かさ。 こんなにまっすぐ相手の目を見るのは初めてのような気がした。 とても優しい目をしていた。
|