気ままな日記
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| 2004年02月24日(火) |
幸田文著「みそっかす」 |
辞書にもないような言い回しを楽しみながら読んでいる。 とても凛として、よどみなく、きっぱりとした表現。 思いやれるということについて考えさせられる。
子供の頃の情景のあれこれを綴った一節― 「30年40年たったことは、ちっとも大人になったことじゃない。いうにいわれぬ子供心の苦悶は今もそのままで、眼も口も苦しく塞いでしまう。もどかしい。じれったい。到底書いてなどいられないものである。(中略)わたしにことばがないのだ。堪忍していただきたい。わたしの手に負えないその父の姿よ、ははのすがたよ、そして私の心よ。」『酒客』より 冷静な作者の心が乱れた一瞬をみたような気がして、哀しく心に染み入る一節である。
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