気ままな日記
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息子が修学旅行の説明会のお知らせを持ち帰った。 旅行の行き先は京都、奈良。わたしたちの時と同じである。 いろんな神社仏閣を、グループごとに見てまわったのだが、その中で唯一覚えているのは、三十三間堂である。特段、ありがたい心持ちがしたからというわけではなく、ただ、細長い堂内に、観音像がぎっしりと並んでいるのが珍しかったからである。 そもそもあの年頃で神社仏閣巡りを楽しむ子供がどれほどいるだろうか。 修学旅行中の関西地方の中学生が、紅白歌のベストテンを観にきていたり、のちには、東京デイズニーランドに行ったりしているのを見聞きするにつけ、そっちの方がよっぽどおもしろそうに思えた。 当時、京都では、テレビでウルトラマンの再放送をやっていた。今の中学3年生だったら、ウルトラマンなんぞわざわざ見たいなどと思わないだろうが、25年前の男の子たちは、それを見たいばかりに、グループ行動をはずれて、先に宿に帰ってしまい、先生にこっぴどく叱られた。そればかりでなく同じグループの女子生徒も、連帯責任ということで、これまた叱られた。 それで「ひどいわ、先生」ということになって、関係のないほかのグループの女子生徒もいっしょになってしくしく泣き始めた。連帯して責任を問われたばかりでなく、連帯して泣き始めたのである。わたしも同じグループだったが、なぜそんなふうに、皆寄り固まって悲しみにくれることができるのか不思議だった。 地元からいっしょにくっついてきた写真屋さんが、場違いに紛れこんで事情のわからないままその光景を写真に撮った1枚がある。 部屋の壁に向かい、肩を抱き合って嘆きあう女の子たち、「撮らないで!」とカメラに向かって叫んでいる別の女の子、そしてその光景を盗み見しつつ、傘なんかたたみながら黙々と荷物整理をしているわたしが写っている。 どうやらわたしはこのころから周りとずれていたのである。
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