気ままな日記
DiaryINDEX|past|will
職場の周りにあるキャベツ畑も、いつのまにか、スイカにとって代わるようになった。道端には、収穫したばかりの大きなスイカが山積みになっている。一抱えもあるほどの黄色いスイカや緑のスイカである。スーパーに行くと、家族の人数が減ったせいか、半分に割って売られているので、丸ごとの姿を拝む機会は久しぶりである。 これまで、美容院だの鍋料理だの、癒すという言葉だの、わたしの苦手なものを時々書いてきたけれど、実はスイカも苦手だったのでした。 種をほじくり出しながら食べるのが面倒くさい。この種、表面だけでなく、実の奥深くまではいりこんでいて、大ぶりにすくって食べると、含まれていた種をガリリとかみくだくことになり、吐き出すのも見苦しい。周りに飛び散る汁も気になる。事務机の上で食べるにはちょっと不相応。 フルーツとはいえ、所詮は瓜。わたしには、キュウリとスイカの味わいの違いがよくわからないのである。 なんでも幼児の頃、招かれて行った親戚の家で、スイカを出してくれたのだが、「甘くな〜い」とだだをこねたら、そこの家人が、慌てて砂糖を持ってきれくれたという。よその家ではおとなしく猫かぶりをするたちのわたしにしては、随分と図々しい態度をとったものである。 そのスイカの差し入れが職場には頻繁にある。冷蔵庫は丸ままのスイカで埋まっている。それがおやつタイムに切り分けられて事務所の真ん中に置かれる。所内いっぱいに広がるスイカの香り。 「ひとり2切れずつがノルマですよ〜」の掛け声。せっかく切ってくれたのだから、一切れぐらい食べてもよさそうなのだが、どういうわけか、やっぱり「今、仕事中だし〜」の雰囲気をかもし出しつつ、さりげなくかわしてしまうのである。
|