Deckard's Movie Diary
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2001年07月25日(水)  王は踊る レクイエム・フォー・ドリーム

 前日とは打って変わって何かと評判のいい『王は踊る』。ルイ14世と音楽家リュリ、二人の関係を軸に展開される宮廷耽美絵図。全然知らなかったのですが、フランスの絶対君主として有名なルイ14世は踊りも達者な色男だったそうで、この映画ではその美貌の王に狂おしいまでの同姓愛を感じる音楽家としてリュリが登場し、二人の長きに渡る愛憎劇が生々しく描かれます。カメラ、ライティング、セットデザイン、衣装、音楽、振り付け、メイク、演技、その全てが美しく、素晴らしい形で融合した影像は目をため息が出ます。ただ、期待し過ぎていたのもありますが、内容が宮廷モノだけにちょっとわかり辛い部分もあり、全体の雰囲気を大事にするあまり劇的な盛り上がりに欠けています。うーん、残念!

 で、映画館を出たら大雨!でも、めげずに『レクイエム・フォー・ドリーム』。これは、かなりアブないです。デビュー作『π』で圧倒的な評価を得たダーレン・アロノフスキー第2弾。ストーリーは、要するにドラッグ中毒で身を滅ぼす話しなんですが、その描き方が容赦ないので、心臓の弱い人にはオススメ出来ません。憐れみも悲しみもブっとんでしまいます。ただこれがドラッグなんですよ!人間を辞めてしまった人達の話し!映画は合法、非合法を問わずドラッグ漬けの現代人の行く先を暗示しているようでもあります。映画を観た後、クロノス・クァルテットの音楽が耳から離れず、街の中では聞きたくないなぁ・・・・と、それくらいインパクトがありました。ダーレン・アロノフスキー監督は編集テクニック、所謂カット割の妙が評価されてたりするワケですが、この映画を見る限りそれだけではない力を感じます。ただ『ロック・ストック〜』で名をあげたガイ・リッチー監督もそういうイメージだったのですが、2作目の『スナッチ』ではただのテクニシャンになっていたので、ダーレンの次回作『バットマン』に期待と不安が入り混じります。『エクソシスト』のエレン・バーステインの演技が凄まじく、自分があの時のリンダ・ブレアーを越える汚れ役をやるとは思わなかったでしょう。清純派だったジェニファー・コネリーの変身ぶりも見物!


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