Deckard's Movie Diary
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『フィクサー』 例によって“ソダバーグ=ジョジクル”コネクションの作品です。とにかく地味なうえに、ちょっと分かり辛いです。脚本家が監督しているからなのかもしれませんが、脚本をいじり過ぎな印象です。どうも脚本家ってのは時間軸を必要以上に操りたいみたいですね。そんなコトしているんだったら、息子が夢中になっているファンタジーゲーム『王国と征服』にもう少し触れたほうが良かったんじゃないですか?決して悪い映画ではないのですが、クルマの中にマイケルの死体が無いことくらい分かるんじゃないかなぁ・・・とか、結局は8万ドルをせしめたマイケル・クレイトンは一人勝ち組じゃん!とか、ツッコミ所は満載です。だって、この事件の後、マイケル・クレイトンは一躍“不正を告発した人間”として時の人でしょうけど、彼が働いていた会社は倒産でしょ!最後はほくそ笑んでるように見えるんですけど・・・でも、マスコミの寵児となっている時に『週刊文春』が“マイケルに疑惑の8万ドル!”なんてすっぱ抜かれるんでしょうね\(-_\)(/_-)/ ソレハコッチニオイトイテ…1980年代に起きたPL訴訟ブーム以降、アメリカではいかに企業責任を軽減することが出来るか?が優秀な法務担当の代名詞になっているワケですからカレンが非情な手段に出るのも理解出来ますが、最後はちょっとうろたえ過ぎのような気も・・・でも、小心者の生々しい部分をキッチリと描いているからいいのかな。ああいうシーンって脚本家というより演出家の部分が大きい気もしますが、どうなんでしょうねぇ。
因みにアメリカの“行き過ぎた”PL法(だって、あの小型飛行機の代名詞とも云えるセスナ社はPL法が原因で小型飛行機業界から撤退を余儀なくされたんですからね)は陪審員制度が生んだと云われていますが、裁判員制度を導入した日本でもそうなるのか?と云うと、そうはならないでしょう。賠償責任の度合いがアメリカとは違っていますから、間違っても「マクドナルドのコーヒーが熱くて火傷したから3億円払え!」なんてことにはなりませんよ。
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