蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2002年02月16日(土) おふろじゃおふろじゃ/長ねぎじゃ

昼間からお風呂に入った。指だけでなく手のひらの皮もしわしわになるくらい、のんびり二時間。湯船に浸かってぼうっとしていると、隣の家からピアノの音が聞こえてきて、「ねこふんじゃった」に始まって「アラベスク」「エリーゼのために」と続いて「千と千尋の神隠しの歌」で終わった。「千と千尋の神隠しの歌」は前奏でピンときたので、一緒に歌った。

らら らんらんらんらん らららら らんらんらんらん らららら らんらんらららん らららら らん らららららん…

お風呂で本を読む人がいるけれど、器用なもんだと思う。私は何度か試してみたものの、本を濡らさないようにするのに腕をお湯の外に出しておかなくてはならないのが嫌で(冷えるから)、水面ぎりぎりのところで読むから、結局本を濡らしてしまって、どうもうまくいかなかった。雑誌も文庫本も紙がふにゃふにゃになって、乾いてもなおらなくて、もったいないなあと思った。

ピアノの音が消えて、再び何もすることがなく肩までお湯に浸かっていて(肩こりなのだ)、札幌の恋人が言っていたことばを思い出した。「だいじょうぶ。本当に大事なものはそう簡単にはなくならないから。」たぶん合っているはずだけれど、もしかしたら後半部分が「そう簡単には離れていかないから」だったかもしれないし、「そう簡単に手からこぼれていかないから」だったかもしれない。とにかく、言っていることはそういうことなのだ。今日は彼女のこのことばが、ものすごく現実味を帯びて私にせまってきている。そうだといいのに。

お風呂から上がって少しお腹が空いたから、遅めのお昼ごはんにした。スパゲティ・ナポリタンを作ろうと思ったら玉ねぎがなくて、仕方がないから長ねぎで代用した。長ねぎを薄くななめ切りにしながら、ああ、私ってば、こんな時にねぎ刻んでる、と思ってちょっとおかしかった。本当は玉ねぎを刻む予定だったのに、長ねぎでは涙は出ない。


(注)札幌の恋人とは中学以来の女友達で、彼女は自ら「札幌の恋人」もしくは「札幌の愛人」と名乗る。メールや手紙のはじまりにはたいてい「札幌の恋人○○○だよ!」とある。


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