蜜白玉のひとりごと
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武田百合子の『富士日記』を読んでいる。富士の山小屋(別荘?)で暮らす日々のこまごまとしたことが書かれている。文章がそっけなくておもしろい。読んでいくうちにだんだん楽しくなってきたので、ちょっと真似して書いてみようかと思う。
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六月二十六日(水) 小雨
朝 食パン一枚、はちみつ、バター、牛乳、コーヒー。 昼 鶏五目おにぎり一個、ロールケーキ一切れ、生茶(あったかいの)。 夜 ごはん、鯖の竜田揚げ、だし巻き卵、ほうれん草のゴマ和え、ミニクロワッサン一個。
前九時起床。昨夜の腹痛はおさまった。シャワーのような雨が降ったりやんだりしている。洗濯物は家の中に干してもなかなか乾かない。 駅でHさんを見かけ、声をかける。今度ごはんを食べる約束をする。Hさんは新しい仕事が忙しいらしく、疲れた様子。 夜十一時、帰宅。玄関前の植木の背丈が低くなっている。昼間、植木屋が来たようだ。
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書いてみてわかる。そっけなく書く、つまり簡潔に書く、というのは意外と難しい。ひとつ書くと、それについてあれやこれや書き足したくなる。日記文学は奥が深い。
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