蜜白玉のひとりごと
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講習がはじまって三週間。早起きにもすっかり慣れ、毎朝ひとつ目の目覚ましで起きる。日によっては、ひとつ目も鳴らないうちに起きる。朝が苦手な私にしてみれば、これは驚くべき変化だ。ただし今でも念のために、ふたつ目の目覚ましもちゃんとセットしている。
十二時過ぎに授業が終わる。明日からはお盆休みで、途端に気持ちがふっと軽くなる。恨めしいと思っていた青空も、今日ばかりはうれしい。休みの開放感にぴったりだ。帰りがけ、尻尾が長い小さなサルをつれた、こわもてなおじさんとすれ違う。おじさんは自転車に乗っていて、サルは振り落とされないようにおじさんの首にしがみついている。ときどき居心地悪そうに足をもじもじしている。信号待ちをしていたおばさん数人が、ねえ見て!サルサルサル!!と大声で騒いでいるが、おじさんは少しも表情を崩さない。サルは全体が茶色で、尻尾だけ苔みたいに緑色。
休みは今度の日曜日までの八日間。休み中にすること。まずはとっととレポートを片付けて、読まなければならない本を三冊読む。台所の窓のカフェカーテンを新しく作って、かけかえる。遠くに住む友人へ、書く書くと言っていた手紙を今度こそ書いて送る。マロとよく遊ぶ。それから、祖父母の家と親戚の家へ行って、のたうち回りながらも元気に楽しくやっているよと顔を見せてくる。なるべく料理をする。その他、家事一般代行。八日間は短い。
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