蜜白玉のひとりごと
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うぃーんうぃーんと草刈り機のうなる音が聞こえる。斜め向かいの公園だろうか。耳障りだと思いながら、急いで出かける支度をする。バスの時間まであと10分だ。公園にしては音がずいぶん近くから聞こえるような感じがする。隣の家だろうか。気になって窓から顔を出してみると、うちの庭に2匹の猫の姿。ベンジャミンと見たこともない白黒猫が向かい合い、体中の毛を逆立てて、今にも飛びかからんばかりになっている。草刈り機と思ったのは、猫が威嚇している声だったらしい。猫の鳴き声と、子どもが駄々をこねて泣く声が似ていると思ったことはあるけれど、まさか草刈り機のうぃーんにも似ているとは。これは新しい発見だ。
見ている端から取っ組み合いの大喧嘩になる。でんぐり返るは引っ掻くは、2匹の暴れ方はすさまじい。ベンジャミンよりも、若くてたくましい白黒猫の方が少し優勢か。がんばれベンジャミン!
うちの庭は3年前から一貫してベンジャミンのなわばりだ。実の子どものルルとチチでさえ、そこそこ成長した時点で、母猫ベンジャミンに平手打ちを食らい、庭から追い出された。自分で新しい居場所を見つけなさい、というのだ。ベンジャミン母さんは厳しい。
ベンジャミンが怪我をしないかハラハラしながら見ていると、いきなり隣の家の網戸が開いて、おばさんが2匹めがけて水をぶっかけた!これには私も驚いた。2匹は慌てて逃げていく。ハッと我に返ると、もうバスが来るまでに時間がない。家を飛び出し、私も慌ててバス停まで走った。
(注)ベンジャミンとは、うちの庭にやって来る三毛猫のこと。彼女との付き合いは、1999年11月2日からずっと続いている。彼女との出会いを詩にしたものが、ことばあそび>あいうえおあお〜50のカタチ〜>ち>チキンスープ である。おひまでしたら、そちらもどうぞ。
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