蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2002年11月06日(水) 本の虫ふたたび

毛糸の帽子ができあがって編み物が一段落したら、無性に本が読みたくなる。週明けの5日、有隣堂で『ファースト・プライオリティー』(山本文緒著/幻冬舎)と『マラケシュ心中』(中山可穂著/講談社)を買い、図書館で予約していた『海猫』(谷村志穂著/新潮社)を引き取る。鞄は本でパンパンになる。ハードカバー3冊の重みが心地いい。

少し時間に余裕があったので、岸田今日子さんと岸田衿子さんの著作を探す。今月の24日に、北海道・小樽の絵本児童文化研究センターで、第7回文化セミナーが開かれる。「児童文化の中のドラマ」というテーマで、ゲストは女優の岸田今日子さんと詩人の岸田衿子さんだ。このセミナーを旅のメインイベントに掲げて、私は23日から札幌&小樽へ旅に出る。と言っても、2泊3日の小旅行なのだけれど、何年かぶりに高校時代の親友にも会えるので、とてもとても楽しみにしている。

おふたりの著作で今までに読んだことがあるのは、岸田衿子さんの詩集『ソナチネの木』だけで、予備知識としてはあまりに足りなさ過ぎる。これではせっかくの4時間のお話がもったいない。まずは、図書館で見つけた岸田今日子さんのショートショート『大人にしてあげた小さなお話』を読む。見開き1ページに収まってしまうくらいの短いお話から見事に、さまざまな情景と人物が立ち上がる。音楽を間に挟んでの朗読会に用いたお話というだけあって、それらは語って聞かせるのにちょうどいい長さと深さをもっている。もっと他にも読んでみたいと思わせる1冊だ。


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