蜜白玉のひとりごと
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朝から雨でひどく寒い。朝ごはんは、トーストにハムととろけるチーズをのせて焼く。お昼ごはん用におにぎりを2個作って、食器を洗い、バタバタと身支度をして、仕事に行く。雨は小雨になっていて、遠くの空が明るかったので、傘は持たずに出かける。
MDウォークマンで英語ニュースを聴きながらバスを待つ。10分過ぎてもバスはなかなか来ない。特別いそいでいるわけでもないので、のんびり待つ。バス停横のモクレンが咲きはじめた。白くまろやかな花がぽつぽつと咲いている。そこだけ少し明るく見える。
バスに乗って最寄り駅へ出る。有隣堂で村上春樹『回転木馬のデッド・ヒート』を買い、電車の中でじっくり読む。読んでいるうちに頭の中が、どんどんムラカミハルキ語調になっていく。夢中になって読んでいると、周りの音が消えていき、自分が電車に乗っていることすら忘れてしまう。
ときどき窓の外に目をやって、現実を確かめる。雨のせいで茶色に濁った多摩川とか、ちらほら見える紅梅とか、建設中のマンションとか。電車が左右に大きく揺れるともうすぐ、終点。
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