蜜白玉のひとりごと
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12月のはじめの週のこと。私が実家に行っている間、いつもなら文鳥まるは相方と東京で留守番なのだけれど、その週は私の留守と相方の出張が途中で重なってしまい、どうしたものか、さすがに12月にもなって寒くなってきた頃に小鳥を置き去りにするわけにはいかないと思い、移動用の小さい鳥かごで4泊5日、まるを実家に連れて行った。
昨日(いや、一昨日だったか)、そのときのことを思い出して、相方がぽつりと言った。まるがいないと家に帰ってきたときさびしいんだよね。それを考えると、もしまるが死んじゃったらきみとぼくは生きていけないんじゃないかな、と思ったよ。
ちょっと大げさかもしれないけれど、その気持ちはよーくよーくわかった。まるはとりたててなにか芸ができるわけでもないし、お金を稼いでくるわけでもないし、餌は散らかすし、指は噛むし、日が沈んで暗くなったら寝ちゃうし、いばりんぼであまえんぼで困ったかわいい鳥なのだ。
どんなに帰宅が遅くても、玄関のドアを開けるとその音に気づくのかピッ、ピッ、と鳴いて呼ぶ。帰ってきたときに誰かが待っていてくれることの温かさ。私がいない間を、まるは小さいなりにまるのやり方でがんばって埋めてくれているようだ。
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