蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2010年01月15日(金) 生きることとか死ぬこととか

年明け1冊目は伊藤比呂美『読み解き「般若心経」』である。伊藤さんとは世代も介護の中身も違うけれど、彼女が介護を通して考えた「死」や「家族」についてもう何年も延々と書き綴ってくれるので、私はそれをむさぼるように読んできた。そして何度となく救われた。

親のことでどうにもこうにも消耗してうんざりして、でもその苛立ちや怒りをぶつけてどうなるわけでもなく、ええい、もう全部投げちゃおうか、と薄っすら思っても、彼女の開けっぴろげな文章を読めば、あら不思議、何だかとりあえずまだやっていけそうな気になる。

今のところまあ健康な体である自分が、生きることとか死ぬこととかについて、こんなにも真剣に考えることになろうとは。もちろんきっかけは父の病気とその介護である。考えようによっては、ものすごく興味深い人生の授業ではないか。そこで何も思い巡らさずにただうろたえているだけなんて、私にはもったいなくてできない。それに何か得るものがなくてはやってられない。

本の内容についてはまた後日。今ちょうど半分くらいまで読んだところだ。今回もまたおっしゃることがよくわかる。どれもこれも、今まさに、なのだから。


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