蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2010年11月06日(土) 慕っていたおばさんの死

昨日、佐野洋子さんが亡くなった。Yahooのニュースで見たとき、一瞬頭が真っ白になった。慕っていた知り合いのおばさんが亡くなった、そんな感じだった。

佐野さんは絵本「100万回生きたねこ」でとても有名だけれど、私にとってはエッセイの佐野さんで、『神も仏もありませぬ』や『役にたたない日々』を読んで佐野さんのおもしろさに出会った。

そして、私の父が病気になってがんじがらめの介護に悩んでから、佐野さんの本当の魅力に気づき、そのありがたさが身にしみた。いろいろ読んでいくうちにわかったのは、佐野さんのお父さんもおそらくは私の父と同様の病気であったらしく(当時はそこまで医学が進んでいなかったので正確なことはわからなかったようだが)、会ったこともない佐野さんに同士のような気持ちまで抱いた。

こんな知り合いのおばさんがいたらいいのに、と何度も思った。私の煮えきらない話を笑い飛ばして、元気づけてくれそうだったから。エッセイを読んでは、語り合っているような気持ちになった。もうこれ以上新しいお話は聞けない。とてもさびしい。

佐野さんが亡くなったとき、まっさきにもう一度読みたいと思ったのは『あの庭の扉をあけたとき』という物語で、なにやらこれが不思議な話なのだ。佐野さんは今頃はあんな感じの世界にいるのかもしれない。


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