蜜白玉のひとりごと
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だいぶ早く着いたのでいったん受付をしてから鳩森神社に行ってみる。霧雨の降る中、じめっとした神社の境内を歩く。いかにも蚊に刺されそうな気配で、いそいで虫よけウェットティッシュを取り出し、首や腕を拭く。
5円でなんだけれど、と思いながらパンパンと柏手を打ち「今日からはじめます。よろしくお願いします。」と挨拶をする。ついでにおみくじを引いたら末吉だったので、後生大事に持って帰らず結んでおく。
大人が3人、子どもが3人の6人でセミナーが始まる。駒の動かし方はわかりますか?とたずねられ、とりあえず本をさらっと読んだくらいです、と答える。クラスは基本的に先生と生徒が1対1で、先生はいくつもの盤を掛け持ちする形で進む。まずは詰将棋から。先生がひとりひとりのレベルに合わせた問題を盤に作ってまわる。分厚い将棋盤、おお、うちのと違う指し心地。一手詰めの意味がわかっていなくて、何度かやり直し。先生はアルパカみたいな感じだ。
一手詰め、三手詰め、と何問かやったら、先生と対局。すごくおまけの八枚落ちからだ。よろしくお願いします、と礼儀正しく始まる。こちらの方が圧倒的に駒の数が多いのに、どこからどう攻めればいいのやら、わからない。わからないことがあれば聞いてくださいね、と先生はやさしく言ってくれるのだけれど、何がわからないのかわかりません、というレベルだ。
わからないなりに考え、指していく。途中で2回くらい助けてもらって、なんとか勝てた。1局50分くらいかかった。すごく集中して疲れた。でも相当おもしろかった。成り駒は後ろに引くとその威力を発揮するとか、小さい駒と大きい駒を交換するように、とかいろいろポイントを教えてもらう。それができたら八枚落ちは卒業だよ、と。そこまでがまだまだ遠いです、先生。1階の売店で詰将棋の本を買って帰る。
翌日になってから気づいたこと。その日は上の階に羽生さんがいた。なんだか幸先がいい気がする。
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