さよなら、ミカ。 - 2002年10月04日(金) 僕がはじめてミカに会ったのは、去年のお盆。 炎天下なのに、若い連中をぶっちぎって、砂の上を軽やかに走る姿に、一目ぼれしてしまった。ミカは、もうけっこういい年になってしまっていたけれど、その体はひきしまっていたし、まだまだ若い連中に負けるわけない、と僕は思っていた。 でも、その後のミカは、不調続き。 東京でも、京都でも、フィールドを軽やかに駆ける彼女の姿はみられず、僕は、ただため息をついて、 紙ふぶきは風に流れていくのみ。 昨日、ミカが競技生活を引退して、田舎でお母さんになるという話を聞いた。 大観衆の前でのセレモニーはないけれど、あの暑い夏の日に、彼女が僕の前で見せてくれた輝きを忘れずにいようと思う。 さようなら、トシザミカ。いいお母さんに。 それにしても、僕は去年の佐賀のサマースプリントを目の前で観て、ず〜っとこの馬に入れ込み、散財もしてしまったのだが、縁というのは、こういうものなのだなあ、と思う。 もし彼女のレースを生で観なかったら、こんなにずっと追い続けることもなかっただろうし。そして、そのレースは、彼女にとってそんなにたくさんはないベストパフォーマンスのひとつだったのだ。たぶん、大部分の人にとっては、ミカは、そんな馬もいたよなあ、そういえば…というレベルなんじゃないだろうか。 人と人でも、相手のその一瞬の輝きを目にしてしまったばっかりに、忘れられなくなるって関係、あるんだろうなあ。そういうのは、運命だとしか言いようがない。 ...
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