或いは好きなのかもしれない映画「フィールド・オブ・ドリームス」 - 2003年01月09日(木) 「あなたのいちばん好きな映画はなんですか?(洋画)」 と問われたら、なんと答えようか。 「タイタニック」や「シンドラーのリスト」じゃ、さすがに俗っぽすぎるし、「天井桟敷の人々」や「風と共にに去りぬ」では、僕の年齢ではさすがに通ぶっているようにしか見えないし(でも、「風と共に去りぬ」は、一昨年観たときはけっこう面白かった。「アラビアのロレンス」とかは、観るたびに寝てしまうのだけれど)、あまりにメジャーすぎると恥ずかしいし、観たこともないものは挙げられないしなあ。 そんなことを考えていて、ひとつ思い浮かんだ映画がある。 それは、「フィールド・オブ・ドリームス」 (以下ネタばれなので、これから観ようと思っている人は読まないで) この映画、実は記憶に残っているシーンは、最後に主人公と死んだはずの父親が、トウモロコシ畑をつぶして造った野球場でキャッチボールをするシーンだけなのだが。 僕は、これを大学1年生の頃に、家に遊びに来ていた同級生の女の子と一緒に観ていた。 観終わったあと、なんだかわけがわかんなくて、その女の子と「この映画、もっと僕らが年をとって、自分の親が死んでしまってから観れば、感動するかもしれないね」などと話したものだった。 当時、僕はその女の子のことが、けっこう好きだったのだ。 それから10年以上経って、僕の両親は鬼籍に入った。 あれ以来「フィールド・オブ・ドリームス」は観ていないけれど、今では、あの映画が語りたかったことは、あらためて見直さなくても、記憶の中にあるシーンだけで、充分理解できるつもりだ。 その女の子は、今は遠くで結婚して、年に1回、年毎に大きくなる子供と夫とともに写った家族写真入りの年賀状で逢うだけだ。 ひょっとしたら、どこかで今と違う選択肢を選んでいたら、彼女の隣に写っていたのは、僕だったのかもしれない。 そんなパラレルワールドだって、あったっておかしくないのにね。 そうしたら、そのパラレルワールドでは、もうひとりの僕が、「こんな女と結婚するんじゃなかった」と妻であるその女の子のことを日記に書いていたりするのだ。 この世界の彼女はもう、「フィールド・オブ・ドリームス」のことは、忘れているんだろうなあ。 ...
|
|