![]() |
右と左。司馬遼太郎と江川達也。 - 2003年01月10日(金) 司馬遼太郎の「坂の上の雲」が、今度はじめてテレビ化されるらしい。 なんでも司馬氏は、何度かあったこの作品の映像化について「軍国主義の復活と受けとられるおそれがある」ということで拒否しつづけてきたのだそうだ。 司馬さんは亡くなっておられるので、御本人の意思ではないことは明らかなのだけれど、最近、日本の社会が急速に右傾化(というよりは、右よりの考えを容認しつつある、というくらいが妥当かな)しているという印象がある。 小林よしのりの「ゴーマニズム宣言」も、その一翼を担ってきただろうし、今回の北朝鮮による日本人拉致問題などは、今まで絶対的に正義だとされていた「戦争をしない国・日本」という「常識」の喉元に刃をつきつけていると言っていいだろう。 あの社民党や朝日新聞の拉致問題に対する今までの誠意のない取り組みやウソ、今回発覚後の対応のみっともなさをみれば、「もう左翼の時代は終わった」と考える人が多いのも当然なのだろう。 ここで考えないといけない。 「共産主義は敗北した」というのが、今の大部分の世界での認識だと思われる。しかし、実際は今の日本なんて、働けなくても生活保障がしてもらえる社会なのだから、共産主義的・社会主義的な要素が、かなり取り込まれているのだ。 「共産主義者(もしくは、共産主義に名を借りた独裁主義者)たちは、滅びた」のかもしれないが、日本は間違いなく共産主義的だ。 それが悪いんじゃない。むしろその逆。 これから世論は右傾化していくことを僕は予想している。 でも、いくら社民党がみっともなくたって、平和憲法の理念は素晴らしいものだと思うし、日本の核武装には、大反対だ。 日本が核を持ったら、いったい誰が核兵器の悲惨さを世界に訴えるのだ。 「愛国心を持つ」ということと「天皇陛下万歳!」というのは、セットではないのだよ。 ほんとうは、右も左も関係ない。いいところを取り込んでいけばいいし、そうならなくては、これから僕たちは生きていけないと思う。 しかし「坂の上の雲」が映像化される最大の理由は、江川達也の「日露戦争物語」のヒットだという気もするけれど。 ...
|
![]() |
![]() |