マニアックな憂鬱〜雌伏篇...ふじぽん

 

 

テキストの価値を決めるもの。 - 2003年02月07日(金)

 読売新聞の記事で、洋画家・中川一政氏のコレクションで、オークションに「作者不詳・落札予定価格1〜2万円」として出品される予定だった油絵「婦人像」が、巨匠ゴッホの初期作品だとわかった、というのがあった。
 ちなみに、ゴッホの作品ということなら、だいぶ損傷が激しいこの絵でも、価格は3000万円、とのことだ。
 僕は、この記事を読んで、絵画の値段というのは作品の内容によって決まるんじゃない、ということをあらためて痛感した。
 もちろん、ゴッホの作品の中でもランクがあって、3000万円というのは、彼の作品の中では最低ラインに近いものだと思うのだが。
 それにしても、作者不詳なら1万円の作品が、「ゴッホの絵」だとわかったとたんに3000倍の価値を持つとは。
 その「絵」そのものは、作者が誰であろうと全く同じものなのに。

 サイトをやっていて、この広いネットの世界には、たぶん僕の知らない素晴らしい文章がたくさん埋まっているんだろうなあ、と感じることがある。
 でも、僕が持っているそれを見つけ出すための術は、あまりにも拙いし、探すための時間だって限られている。
 
 全く同じことを書いても「誰が書いたか」によって、影響力が変わってくるのは、ネットの中でも同じなのだ。ものの価値というのは、基本的には買い手が決めるもの。もちろん、自己満足、というのはひとつの結論ではあるが。

 良いものを書いていたら、必ず誰かに届く、というのは、確信めいていて、実は幻想にすぎないのかもしれない。
 これは、ゴッホに責任があるわけじゃないし、彼の生前の画家としての評価は、アクセスがほとんどない零細サイトの管理人みたいなものだったのだけれど。


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