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恩知らずなドイツと恩着せがましいアメリカ。 - 2003年02月17日(月) イラク攻撃に反対しているドイツとフランスに対する、アメリカの国民(というより、ブッシュ政権のかな)感情が急速に悪化してきているらしい。 5万人のドイツ駐留アメリカ軍の撤退も検討事項に入っているし、フランスについては、ミネラルウォーターの「エビアン」やフランス産高級ワインの輸入制限なども検討されているらしい。 なかでも、第二次大戦後、アメリカの忠実な同盟国であるドイツへの反発は強いらしく、今月10日に、ドイツがロシア・フランスとともに出した。査察継続を求める共同宣言後、ブッシュ大統領は「失望している」と批判し、ハンター米下院軍事委員長は「ドイツの自由のために米国が払った犠牲に対する、ドイツの感謝の涙はあっという間に枯れた」とののしった、ということだ。 しかし、この「ドイツの自由のために」というのが、第2次大戦でのナチスからの解放ということを意味しているのであれば、この発言はドイツ国民にとって、あまり気持ちのいいものではないだろう。 日本だって「アメリカ軍は、日本を戦前の軍国主義から解放した」という名目になっているが、アメリカ軍が「日本やドイツの自由のため」に戦ったのではないということは、僕にだってよくわかる。 アメリカだって、自分の身を守るために戦ったのだ。 そして、ドイツ人は「ナチス」というエイリアンに侵略されていたわけではなく、ごく普通の市民が、ナチスに投票し、ナチズムを支持し、ナチストになっていたのだ。 「ナチス」というのは、誰にでもある心の闇が、群集心理に増幅されて出現した怪物のようなもの。 ドイツには、戦争で身内を失ったものもいただろうし、中には、アメリカ軍と戦って命を落としたものもいただろう。家では、よき夫、よき父親であっても。そういう歴史を考えると「アメリカさん、自由にしてくれてありがとう!」と素直には言えないのではないだろうか? もちろん、戦後の復興に対するアメリカの貢献は、日本・ドイツともに測り知れないものがあるのだが、それも、アメリカの国情による部分が大きい。 あまりに恩着せがましく言われると、かえって「日本を復興したのは日本人だし、ドイツを復興したのはドイツ人だ」と言い返したくなる。 友人の誤りをキチンと指摘する者と友人だからどこまでもついていくと盲従する者。 どちらが正しいとか、簡単に言い切れるものではないと思うけれど。 ...
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