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2005年09月09日(金) |
『吉原御免状』2日目 |
<場所>青山劇場H−35番 <時間>1幕18:00〜19:15、2幕19:35〜20:55
とにかく、きれいだった〜。 紅く塗られた格子や壁が回り舞台に乗っていて、 転換のたびに、光と影を色濃く映し出す中に 色が映えて、回り灯篭や万華鏡を思い出させる。 きついライトで照らしているのに、どうして、 色街のろうそく揺らめく印象になっているのかなあ。
普通の場面の途中でも、格子や建物と建物の間を 通り過ぎていく人のざわめきが、雰囲気を出す。 その中で、堤@誠一郎と松雪@勝山太夫という 画に描かれたような美男美女の織り成す悲恋。 色っぽいし、ちょっと、うわ〜って嬉しくなっちゃう。 ちょうど観たばかりの『エリザベート』に対する不満、 初演にはあった、色気と雰囲気が、ここにはある感じ。 いや勿論、東欧の陰鬱な色気とは全く違うんだけど。
本当に、誰が何といっても、まずはセットと、 それから、堤さん&特に、松雪さんブラボー! 仇っぽさというのかな、とても おいらんっぽい。 古田さんとの絡みで、ちょっと目をそむけたくなるような 場面もあるけれど、おいしい役を見事にこなしている。 対する堤@誠一郎も、人を惹きつけまくる魅力があるのに、 無自覚な辺りがまた魅力という、迷惑だけど惹かれてしまう、 染まっていない感じが意外に似合っていて。ちょっと、 おばば様のように、手を出してみたくなったかも(笑)
うわ〜、すてき(*^^*)とうっとりしている中で、 どうにも不満だったのは、まずは京野ことみ@高尾太夫。 太夫として、この街のトップに立っている存在感や色気、 最後に誠一郎を包み込むような大きさが、ないんだもん。 幕間に友人が「鈴木京香で観たかった」と言ったけど、 めっちゃくちゃ同意。ただし、彼女本人なら勝山の方を やりたがるだろうというのも同意。脚本からして、高尾は、 いなくても大して関係ないような役になっている印象だし。 それでも存在感を出せる役者はいると思うけれどね。
もう1人不満なのは、おひょいさん。 雰囲気にうっとり〜するだけなら、彼の台詞が 分からなくても、そんなに問題ないといえばそうだけど、 この吉原が実は、女にとっての天国であるという話は、 幻斎が中心になって進んでいくというのに、肝心の人が 台詞を忘れたり、人の名前を間違えたりするのって論外。 相手もフォローしようがない場面で完全に台詞忘れて、 話が止まった沈黙の中に、プロンプの声が響くって・・・。 でもまあ、雰囲気はあるんですが、私の感じたストーリーだと、 話にちゃんと交じって演じてくれても、イメージ少し違うかも。 堤さん演じる若い頃の幻斎にある、トップに立つ力が、 年取って消えちゃってるような印象すらあるし。
古田@義仙は、今回は純粋に悪役。 文句ってほどじゃないけれど、もう一声足りない感じ。 じゅんさんが演るような役だと聞いていたけれど、古田さんの かわいげや愛嬌がない演技が、今回の舞台に合ってるかも。 裏表のない「これぞ悪役」になっていて方向性は好きだけど、 でも、それならそれで、凄みみたいのは欲しいかなあ。 台本でやってることはすごい割に、迫力は少な目だし。 誠一郎との殺陣なんて、もーーっとドキドキしたいよお。 何だか中途半端に、応援したくなる種のかっこ良さがあって、 素直に誠一郎のかっこ良さにドキドキ見惚れられない。 悪役のかっこ良さには、ゾクゾクしたいんですけど。
役者がフォローできない分、高尾太夫は、もう少し 脚本で書き込んであげたいなという気がしたけれど、 全体的に、劇団員の出番はいい感じのバランスだったかも。 劇団員で、目的の1人である橋本じゅんさんは、 動かない宗冬役が、意外に存在感あって嬉しかった。 愛嬌を抑え込んで、真正面から苦悩する役って、 初めて観たかもしれないけれど、男らしくて好きかも。 でもつい、殺陣を期待してしまうのは・・・ごめんなさい。
あと、堤さんたち以外の大きな殺陣の見せ場が、 梶原善さんvs粟根さんという、ミニコンビだったのは、 ただ観ていて絵的にも うっとりできちゃう舞台の中で、 ちょっとだけ、残念だったかも。ごめんなさい。 その横で目立っていた(もちろん殺陣でも)川原さん、 ちょうどこの日は誕生日だったらしく(SMAPと一緒だ(^^;)、 カーテンコールで堤さんの紹介とともにケーキが出てきて、 9月生まれ全員と一緒に、お祝いしてもらっていました。 ものすごく関係ないけれど私も9月生まれなので、微妙に お祝いしてもらった気分で、二重に嬉しかったです。
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