 |
 |
春めく
厚いコートを着て外出したら、少しうっとうしく感じるほど、今日は暖かい一日だった。 「近代文学を語る」という、大河内昭爾氏の講座にでる。話が面白いので、昨年9月から出ている。今日は、岡本かの子や、島尾敏雄、そのたもろもろ。必ずしも、文学の話だけではない。あちらへ飛び、こちらに戻り、戦時中の軍国少年だった体験談も混じり、興味が尽きない。 終わって、3時前だったので、そのまま杉並の両親のところに行く。ひと月以上、行かなかったので、喜んでくれた。 母は、大分耳が遠く、大きな声で話さなければならないので、正直疲れる。向こうが、話が溜まっているのを幸い、もっぱら聞き役に回る。 父の方は元気だが、私の顔と名前が一致しているのかどうか、でも、昨日の続きのように、自然に会話できるのは嬉しい。 両親は、私の家で3年暮らし、妹のところで1年ちょっと過ごし、昨年8月に、いまのケア付きマンションを買って移った。その経緯は、とても一口では話せないくらい、いろいろなことがあり、夫婦、親子、きょうだい、さまざまな人間関係が絡み合い、介護の問題もきわめてホットなテーマとしてあり、ずいぶんいろいろな思いをし、皆がそれぞれ傷ついて、いまの形になった。 自分の親をほめるのはなんだが、見事な親たちだと思う。子供の傘下にはいることを潔しとせず、行くと「体に気を付けて、長生きしなさい」などと、母が言うのである。 今日も行く前に、駅から電話した。すると、ちゃんとお寿司や、お菓子が待っていた。母の入れたお茶を飲んで、夕方帰ってきた。親たちにとって、私はいつまでも娘なのだろう。 母は今年89歳を迎え、父も5月に92歳になる。 2002年02月21日 21時34分53秒
|
 |
 |