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前外務大臣が、テレビで涙を見せたというので、「女の涙」が、ひとしきり話題となった。 泣いたりしそうもないように見られていた人だからだろうか。 でもわたしには、彼女の気持ちがわかるような気がする。あんな伏魔殿のようなところで、魑魅魍魎渦巻くところで、男たちにいじめ抜かれたら、情けなくて、悔し涙も出るだろう。首相の言う「女の涙」とは、違うような気がする。逆に彼女は、信頼していた男どもを見捨てたのである。 息子の妻は外資系の会社で働いている。仕事が出来るので、部下15人を抱える立場である。部下の中には、年上の男もいて、この連中が、時々、手の込んだ意地悪をするのだそうだ。 男というのは、自分より弱い立場の女には、優しかったり、親切だったりするが、一度ライバルと見なすや、同姓に対するよりも、敵愾心を持つらしい。正攻法でかなわないとなると、妙なところで男同士団結して、ネチネチとやるのだそうだ。 「そんな時どうするの」と訊いたら、「戦うしかありません」と、けろっとしていた。だから、涙はもとより、女の弱さを武器に使うようなことはしないので、男の何倍も仕事をしなければならず、疲れるらしい。 彼女も、なぜかそんなところだけ、姑である私に似て、不器用なのである。幸い、上司が理解があるので、助かっているそうだ。 息子は、よく彼女の話を聞いてやるらしい。「だからやっていけるんです」と言っていた。 私も、あまり泣く方ではないが、時々溜まったものが溢れてくるがごとく、わっとやることがある。誰もいないときが多い。さんざん泣くと、さっぱりして、気が楽になる。 今日も、とても悲しいことがあって、半日泣き暮らしたが、それで、諦めがついた。 次の日笑って過ごすための、人に与えられた自然の理かもしれない。 2002年03月06日 23時55分04秒
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