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芝居友達で、いま一番親しくしているY子さんから夕べ電話があった。 「向こう一週間ばかり、多忙で、電話できないかもしれないから」と、芝居の日取りの確認や、連句の話など。 彼女は、私より少し年上だが、ずっとエネルギーがあって、一人何役もの仕事や、付き合いをこなしている。 長年、社会の一線で働いてきたので、3日も家にいると、落ち着かないのだという。 いったん最前線から退いたものの、周りがほっておかないのだろうか、大学の講師とか、いろいろな役回りが巡ってきて、毎日、何かしらの用事で、出ている。 その合間を縫って、電話をくれるわけである。 仕事だけでなく、昔のクラスメートや、仕事仲間との旅行や、付き合いも多いらしく、私と電話で話している間にも、始終キャッチフォンが入ってくる。 スーパーウーマンということばがふさわしいだろう。 でも、彼女のいいところは、そうした仕事のキャリヤや、能力が、どこにでも通用するとは限らないと言うことを、自覚していることである。 よく、男の人で、昔の肩書きが、抜けきらず、どこへ行っても、それが顔を出して、鼻持ちならないという人がいる。 この手の人は、私のもっとも嫌いなタイプ、一度、あるツァーで、この手の男と一緒になり、旅行の終わりに、大げんかしたことがあった。 「アンタみたいな人は、けちなツァーなんかに入らないで、お供を3人くらい連れて、一人で行きなさいよ」と言ってやった。 旅行の間中、威張り返り、初対面の私を「会社の女の子」扱いした口をきいたからである。 役所の窓口で、けんもほろろの応対をしたヤツに「何様だと思ってるのよ」と、言ってやったこともある。 私は、この世に亭主以外に怖い人はいないので、誰に対しても、同じ接し方で通している。 弱いものイジメはしない代わり、こういうエライさんをやっつけるのは好きである。 ムネオみたいなヤツは、結構多い。Y子さんがそういうタイプだったら、私は、はじめから付き合わないと思う。 忙しいと言うことは、それだけ、周りから期待され、役割があるということで,結構なことなのだが、そのために時間を取られ、金銭的には、入る方より、出る方が多いくらいだという。 「間に合わないとすぐタクシーに乗っちゃうから、交通費もバカにならないわ」と言っていた。 でも、何もしなくて、ゼロでいるより、同じゼロなら、何かして、プラスマイナスゼロの方が、いいのじゃ、ないだろうか。 少なくとも、数字に表れない満足感、充実感、そこで感じたり、思ったりの、体験をする。たとえ、いいことだけでなくても、生きている実感は、得られるはずだ。 家にいる安息や、静かさを、かけがえなく思いつつも、社会と繋がった人の、プラスとマイナスを、時に羨ましく思うのである。 2002年07月12日 12時49分43秒
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