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昨日は、井上ひさし「太鼓たたいて笛ふいて」の千秋楽。 新宿サザンシアターで。 初日に見て、2度目である。 同じ芝居を繰り返して見る利点は、いくつかあるが、今回も、2回見てよかったと思った。 戦後6年して、47歳で急死した林芙美子の物語である。しかし、芝居は、女流作家の一生を追ったのではない。 この芝居のキイワードは、「物語」。 「戦争は儲かる」いう物語を、国家も、国民も信じ、「物語」の先頭に立って、太鼓をたたき、笛をふいていた作家の、魂の再生がテーマである。 語られていることは、60年も昔のことであるが、今の、たとえばアメリカの社会に、昨年の秋以来蔓延しているであろう、現在の「物語」でもある。 初日には、よく分からなかった「物語」の細部が、見え、聞き落としていたセリフが、よく耳に入り、大変よい席に恵まれていたこともあって、役者の熱気と迫力が、伝わってくる、舞台だった。 芝居の物語は、昨夜、終わりを告げたが、「物語」は、さらに続くのだろう。 目に見えない、いろいろな形をとって。 2002年08月08日 09時13分47秒
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