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私は、女子校育ち、思春期を、異性の目を気にしない中で、のびのび過ごした。 女だけの社会では、当然のことながら、長も副も女、力仕事も多少危険なことも、全部自分たちでやる。 もちろん、性格は、様々。積極的で、リーダーシップがある人、大人しく、人の中で目立たずにいる方が合っている人、いろいろいたが、共通しているのは、割合本音で、ものが言えることだった。 もちろん、仲違いやイジメもあったが、異性を巡るトラブルが皆無だったのは、女子校だから当然である。 ススンでいる子は、校外で、ボーイフレンドと付き合っていたが、こっそりカレの写真を持ってきて、親しい人たちの間で見せ合う程度、大多数は、映画スターに熱を上げたり、若くすてきな男の先生が入ってくると、ちょっとざわざわしたり、今思うと他愛ないものだった。 デパートに寄り道するのに、親からの願い書を、学校に出さねばならないくらい、一面では厳しかった。 私が、社会に出て一番驚いたのは、女性の中で、同性だけでいるときと、男性が混じっているときと、違う態度をとる人がいることだった。 学校時代には、まず、見なかったことだった。 女同士は、お互いをすぐ見抜くので、気取っていても、バレる。 自分をさらけ出さねば、本当の友達は出来ないし、信頼も湧かない。 「気取り」がないというのが、女同士の付き合いの真髄で、そういうところに、気取りを持ち込む人は、「フン」と、内心軽蔑されてしまう。 ところが、男を含む場では、この「気取り」というのが、オンナの武器として通用するのである。 みんなの話を黙ってきいていて、別のところで、自分の話にすり替えてしまったり、男にミステリアスな魅力と錯覚されて、妙にもてるのも、この種のタイプ。 そして、このタイプは、女だけの集まりが嫌いである。 そこでは「気取り」が通用しないことを知っているし、自分が、同性の間で、どんな風に見られているかを、うっすらと感じていて、居心地が悪いからである。 女も男がわかっていないが、それ以上に男は女が分かっていない。 そして、それを本能的に察知する女にとって、男をだますのは、わけのないことである。 同性に信用のない女は、その武器で、男に近づき、結構自分の城を築いている。 礼儀正しく、決して、あからさまに表明はしないが、心ある女たちは、この種の女を、同性を裏切る敵と思っている。 「わかっちゃいないんだから」と、悪口を言いながら、モテない女同士は、ごまかしのない友情をはぐくんでいる。 本当に支え合えるのは、同性の友達だと言うことを、よく知っているからである。 2002年08月09日 09時23分55秒
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