沢の螢

akiko【MAIL

My追加

高原の夏
2002年08月15日(木)

一昨日から信州に来ている。
連れ合いのほうは、先週から東京の暑さを抜け出して、早々とこちらに来た。「浮き世の義理」の合間を縫ってである。
私にもそれなりの「浮き世の義理」があって、酷暑の東京で1人、過ごしていたのだが、今度「浮き世の付き合い」がひとつ減ったので、超満員の特急「あづさ」に乗り込み、避暑地の住人になったのだった。
連日34,5度の暑さが続いていた都会から来ると、ここの空気は、ひんやりしていて、白樺の木々のあわいを縫って吹き抜ける風が、何ともさわやかである。
窓を開け放つと、蜂や虻まで、うち中を駆け抜ける。夜は、台所でコオロギが、歩き回り、玄関の外では、火取り虫が、灯りを目指して、戸を叩く。

戸を叩く旅人なりや火取り虫

5,6年前までは、北沢美術館や、マリーローランサン美術館などに、よく出かけたものだった。
北沢美術館には、エミール・ガレの作品があり、ローランサンも、初期の頃の佳いものがある。
でも最近は、ほとんど、出歩かずに、風の音、鳥の鳴き声を聞きながら、静かに過ごすことが多い。
今日は、朝から、少し曇っていた。
食料がなくなったので、駅近くのスーパーに行き、野菜、果物、豆腐など、3日ぐらいの量を買い込んで、戻ると、しばらくして、雨になった。
諏訪湖で、今夜は、花火があるはずだが、どうなることか。
高原の雨は静かである。
土の中に染みていくような柔らかな音を立てて、降る。
さっきまで、きれいな声で鳴いていた駒鳥らしき鳥も、木の間に潜んでしまったと見え、静かになった。

連れ合いが、古いノートパソコンを持ってきていたので、自分のホームページの、気になるところだけ、、覗いてみる。
ブロードバンドに馴れた身には、ダイヤルアップは、もどかしい。ここには、まだ、インターネット環境は整っていない。
時間を気にしつつ、まめに接続を切ったりしながら、見るが、書き込みまでは出来ない。
それでも、連句の付け合いは、矢張り、入力してしまった。
この日記、メモ帳にオフで入力してから、コピー、張り付けで、送信するつもりだが、うまくいくかどうか。
なにも、こんなところまで来て、インターネットをやることはないのにと思いつつ、私も、かなり、ネット中毒に、侵されているのかも知れない。

人間くさい生活の中で傷ついた心が、ここで少し癒されると良いのだが・・。
今日は、終戦の日だった。

2002年08月15日 17時05分05秒



BACK   NEXT
目次ページ