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2003年10月26日(日)
葬儀(猫)のために実家へ帰省していたご主人が、今日戻ってきた。 ご主人はたくさんの荷物を持ち、その一つ「鳩サブレー」を僕にプレゼントしてくれた。 何を隠そう僕は鳩サブレーが大好きなのだ。
あれは忘れもしない中学生のとき…。 友人が「土産だよ」と、家族で食べるはずの鳩サブレーを一袋だけ僕のためにくれた。 友人は茅ヶ崎に住んでいたことがあって、小学生のとき群馬に引っ越してきたのだ。 僕は直ちにその袋を破り、世にも珍しいそのサブレーとやらを口に入れた。 なんと香ばしく甘いのだろう。 それはクッキーと似て非なるもので、ビスケットともまた異なるという微妙な位置にいた。 原材料は、小麦粉、砂糖、バター、鶏卵、膨張剤のみ。 このような家庭でも十分にあるはずの材料でサブレーが作れるなんて。 軽い驚きと感動をもって、僕はサブレーを味わった…。
そんな過去の思い出に浸りつつ、僕は一袋、もう一袋とあっという間に平らげてしまった。 そして、同時に『鳩のつぶやき』を読んだ。 この冊子は箱の中に一緒に入っており、創業当時からの出来事がつづられてある。 サブレーの発明、名前の由来、創業時の悪評、関東大震災、戦争、そして現在…。 それは一つの物語になっており、僕はまたもや鳩サブレーに感動を覚えたのであった。
そして、御主人様は言った。 「ウチの近所に鳩サブレーの工場があるんだけど、昔の同級生がそこで働いてんだ。 どうしてんかなー今…。 その子ちょっと頭が弱い子で、なんかその工場の前通ったら思い出して食欲失せたよ。 今、鳩サブレーってそういう人たち雇って操業してるみてーだよ」。
僕のショックは計り知れない。
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