二人目を妊娠すると、上の子が急に甘えん坊になるという話をよく聞く。そういう点ではあまり変化を見せていなかったルンバはしかし、私の妊娠がわかるかわからないかぐらいの頃から、赤ちゃん人形でよく遊ぶようになっていた。 「あかちゃーん」 とか言いながら、嬉しそうにご飯をあげたり、お風呂に入れたりしていたんである。
保育園では最近さらにそれが顕著になってきて、おんぶひもで赤ちゃん人形をおんぶして歩いたり、ミルクを飲ませたり、寝かしつけたり…というのが多いらしい。 「数カ月先の予行演習ですかね?」 なんて先生に言われている。
グングン大きくなる私のお腹を見ながら、ルンバが赤ちゃんの存在をわかっているのかいないのか、いまいちよくわからなかったのだけれど、最近になってはっきりと、 「ママのおなかに、赤ちゃんいるの?」 と聞いてくるようになってきた。 赤ちゃんは私のお腹に隠れていると思っているのだそうだ。当たらずも遠からず。
わかってきたのはいいのだけれど、あまりにも脈絡なく、あちこちで聞かれるようになった。 ある時は電車の中で。ある時は道を歩きながら。ある時は、見知らぬ人に向かって。突然、ルンバは聞くのである。 「ママ、赤ちゃんいるの?」
なんだかちょっと恥ずかしい私なのだった。
|