映画めも3 - 2009年03月07日(土) 『怒りの葡萄』 傑作です。 1928年の世界恐慌の後に大量に出てくる失業難民の物語。 トラックに乗って、家族全員で職を求めてアメリカ大陸を横断するが、どこに行ってもほとんど仕事は無い。もしあっても搾取に苦しんで、それに反抗するものは命をなくしてしまうこともある、と言うシビアな物語だけれど、その中で強く生きていこうとする家族一人一人の気持ちの流れを丹念に描いてある。 ジョン・フォードの実力の、ものすごさをうかがわせてくれる。 『オール アバウト マイマザー』 スペイン映画はなかなか面白さがわかりません。 まだ少女っぽいペネロペ・クルスが出ている。 アカデミー外国語映画賞まで取っている。 物語りはわかりやすいが、話全体のテーマが全くわからなかった。 明日があるさ ザ・ムービー 傑作です。 子供の頃宇宙飛行士になる夢を持っていた男が、大人になった頃すっかりそんな夢を忘れていたが、有人ロケットを開発している老人と出会い、夢を取り戻すと言う物語。 もう、あらすじだけでも力がわいてきそうな物語。 最後に出てくるロケットは、さすがにちゃちな感じになってしまっているが、かなりきめ細かに主人公(浜ちゃん)の心の流れを追いかけてあるので、観ていて手に力が入る。 『ステラ』 中卒で酒場でウエイトレスをやっている品の無い主人公ステラと、高学歴で上流階級の男とが出会い、子供ができてしまい、出産して子供を育てると言う物語。 住む世界が違うから結婚してもうまくは行かないと結婚することを断念するステラ。 結婚できないが定期的に娘と会いに来る父親。 ステラが下品な生活しかできないというところで、一緒に住んでいる娘の将来が気になり始める。 このままでは娘は不良たちとつるみ、自分と同じ人生を歩ませることになってしまう。 それでも、高校生になるまでは、気丈に振舞って立派に娘を育てるが、娘と二人で父親のところへ旅行に行ったさいに、あまりにも自分と住むところが違い、娘も母親の振る舞いに閉口する。 もうこれ以上一緒にいると、娘の将来がおかしくなってしまうと判断しニューヨークの父親のもとに娘をやり、ステラは身を隠し、娘の行く末を陰から見守っていくことになる、という立派な母親の子育て物語。 ラストは、かなり感動的で印象に残る。 約20年という年月を1時間50分という時間で描いてある。 いろんなエピソードの積み重ねで物語が出来ているが、ただいろんなエピソードがあるだけで、物語がうまくつながって行っていない感じのところもたくさんあるので、流れるようなストーリー構成ではないが、子供のいる方は一度観て大いに議論の出来るテーマなのではないだろうか。 -
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