映画めも - 2009年05月07日(木) 『ダニー・ザ・ドッグ』 何本かリック・ベッソンの映画を観ていて気がついたことがある。 この映画は、監督はしていないがシナリオと製作をしていて、出来上がりはまるでリック・ベッソン本人が監督をしたような出来上がりになっている。 解説をしてしまうと、何だそんな当たり前のことかと思うかもしれないが、物語作りに基本は、主人公の心を開放すること、心の中の苦しがっている部分をすくい上げる事。 主人公だけでなく脇役の人間も全て心のウチの何かを救済をすることが物語の基本になっている。 キャラクターの設定が奇抜で孤独な感じなので、だんだんその救済の効果が大きくなってくる。 救済の仕方は登場人物によって異なるが、基本的に自分自身で克服しようとするが、簡単に克服できず、苦しみもがいている人物たちを他人が手助けをして救済するという形を取っている。 手助けしてもらうことの気持ちよさ、人肌の温かさを、見ている人はもろに感じて飲み込まれてしまうところに、このリック・ベッソンの作る物語の美味しさがある。 『目撃』 一人の頭のいい泥棒(イーストウッド)が忍び込んだお金持ちの家で、金品の物色中に大統領(ジーン・ハックマン)が、そのお金持ちの妻を殺害するところを目撃してしまうところから物語は始まる。 殺人の容疑をかけられた泥棒は、本当の殺人者が誰かということを伝えるために、娘のところに向かう。 娘のところには、自首を勧める刑事(エド・ハリス)がいて、待ち構えている。 という軸になるストーリーと、もうひとつその裏に、娘と父親の関係の修復というヒューマンな物語がある。 その裏側の物語の部分がとても面白い。 行方をくらまして、めったに現れることがないと思っていた父親が、現れて欲しいと思っていたらもう部屋の中にいて待っていたり。 行方はくらまして目の前にはいないが、いつもそばにいてくれているような気がしていた娘が、父親が住んでいた家に刑事とともに入ってみたらそこには、自分の写真が沢山あって、大事な時にはいつもそばにいてくれていたんだといことがわかったりと、父親の愛情の表現がとても面白く描けている。 -
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