夢見る汗牛充棟
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魔物
なんだか我慢して もやもや堪えて 腹に力をこめて 眼差しがきつくなって 憤りながら唇が笑み 泣きたがる喉を嘲る 偽りの手順にしたがって 器を動かしているうちに いつからだろう せかいとわたしとそとづら すれ違って調わない そういえば 朗らかな空に笑うこと 世界に泣くこと 幽霊を怒ること 無駄だからここから 不法投棄しました 叫びたいのも喚きたいのも 迷宮の内のできごと 分けて隔てるのが卑怯なやり方でも 今日をやり過ごして 明日立っていられるなら 目を瞑る 嵐は嫌いだし 明日は生きられるんだし たましいに棲む魔物を眠らせ 無数の衝立で封じこめる 平和と安息とハーブの香り ここは神の手 精霊の隣 けれど眠り続ける魔物が 目を覚まして吼えるから かたくかたく耳を塞ごう
懐かしいんだ かなしいんだ 戻れないんだ 飢えているんだ 欠けているんだ 拾いたいんだ ひとになるんだ ひとにしてくれ
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