夢見る汗牛充棟
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2000年03月09日(木) 無罪

無罪






ねじくれた現在に腰掛け

居心地が悪いと思っている

これは好ましくない

これは好ましくない

不満を抱えながら長いこと座り続け

終には

私が支持したそいつが

見知らぬ彼を殺したという

糾弾され 混乱したまま

ああ何てこと、と私は嘆き

この人は何も知らなかった、と

弁護人はいう

結局 同類の陪審員は泣き崩れる

私に全員一致で無罪をくれてやる

「彼が命を失ったことを思うと

胸が詰まる想いです」

殺された彼の家族が指を突きつけ

お前は敵だ 憎むべき敵、と

鋭い眼差しでいうときも

禊は済んだのに何故憎まれるのか

理不尽に感じながら

私は傷ついた振りをする



恵 |MAIL