夢見る汗牛充棟
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無罪
ねじくれた現在に腰掛け
居心地が悪いと思っている
これは好ましくない
これは好ましくない
不満を抱えながら長いこと座り続け
終には
私が支持したそいつが
見知らぬ彼を殺したという
糾弾され 混乱したまま
ああ何てこと、と私は嘆き
この人は何も知らなかった、と
弁護人はいう
結局 同類の陪審員は泣き崩れる
私に全員一致で無罪をくれてやる
「彼が命を失ったことを思うと
胸が詰まる想いです」
殺された彼の家族が指を突きつけ
お前は敵だ 憎むべき敵、と
鋭い眼差しでいうときも
禊は済んだのに何故憎まれるのか
理不尽に感じながら
私は傷ついた振りをする
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