夢見る汗牛充棟
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2000年03月25日(土) 眼差し

眼差し






遠い山からの眼差し いまは

冠のような白雪にまぎれ

わたしたちをみている

頂にすむふたつの目

頂にすむいろいろのかみ

狭い海をなぞる道をすすむ

剥き出しの背骨を打つのは

それらの荒ぶる息吹

おまえはなお歩けるかと

問うている



まろびまろびしながら

足元で黙する下草から

頭上で時折呻く樹木から

常にけたたましい人間まで

別け隔てなく

あすこにすむであろう

やさしい仄あかりを信じ

にじり寄るように

いっぽまたいっぽ

伸びてゆくその連なりが

続く日々なのかなと

問うてみたい



雑多ないろにまぎれ

かみたちをみている

ふたつの目 ここからの眼差し



恵 |MAIL