夢見る汗牛充棟
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眼差し
遠い山からの眼差し いまは
冠のような白雪にまぎれ
わたしたちをみている
頂にすむふたつの目
頂にすむいろいろのかみ
狭い海をなぞる道をすすむ
剥き出しの背骨を打つのは
それらの荒ぶる息吹
おまえはなお歩けるかと
問うている
まろびまろびしながら
足元で黙する下草から
頭上で時折呻く樹木から
常にけたたましい人間まで
別け隔てなく
あすこにすむであろう
やさしい仄あかりを信じ
にじり寄るように
いっぽまたいっぽ
伸びてゆくその連なりが
続く日々なのかなと
問うてみたい
雑多ないろにまぎれ
かみたちをみている
ふたつの目 ここからの眼差し
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