夢見る汗牛充棟
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知らない
どうしようもなく 詞も言葉もがらんどうで 器の中身は空っぽで 風すら吹いていない そんな日もあるんだけど
知っていることといえば私は 苔や草ではないし 海や山ではないし 星や花ではないし 天や地ではないし 猫や羊ではなくて そんなことがちょっと残念に 思っている
知りたいことといえば このおんなはひとなのかしら このひとはおんななのかしら ひとの中にはなにが満ちている ひとひとに光を見つけるたびに 私の中身はなんなのか知りたくなる
もしも宇宙なら 空っぽのようで みっしりつまっている 密かな大切なもの
もしも翼なら どんなに小さくても 羽ばたいて 生むことができる風
もしもなんてない 答えを掴むには短すぎる腕 空しさは何処からきて 喜びは何処へかえるのか 知りたいことといえばまとわりつく 些細な問いは小骨や棘とどう違うのか
けれど私は嘘だから ちいさな痛みを枕にして 今日は眠ってしまうんだ
空と風の夢を見るばかり
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