夢見る汗牛充棟
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2002年04月29日(月) 「ゆこう」・「ゆこう」・そういうことになった

陰陽師〜龍笛の巻〜 夢枕獏 (文芸春秋)

〜呪に結ばれし者たちの運命やいかに。
若き陰陽師・安倍清明と
笛の名手・源博雅が
都の闇にはびこる悪鬼、怨霊と今、
対峙する・・・・・・。〜


はんなりとしてやわらかな闇をまとった
雰囲気というか、語り具合がお気に入り。
鬼が人の血肉を喰らっている描写でさえ
ゆったりしている気がする。
そんでもって博雅さんとてもいいです。
素直で、真っ直ぐで、情緒豊か。
物の怪の心をもとろかす笛の名手。善い漢です。
この作品を読んだがために「長慶子」が気にかかりすぎて。
雅楽のCDを買った人はきっと存在すると信じてます!

「ゆこうか」
「ゆこう」
そういうことになった。

これが、とてもとてもとても好き。


文芸春秋から5冊、朝日新聞社から1冊出ています。


恵 |MAIL