夢見る汗牛充棟
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2002年12月07日(土) だらだらした日記

衢では、「楽園の魔女達」の新刊が発売されているようですが、
とんとお見かけしません。何処にいらっしゃるのですか?ハニー。

休日なので、のんびり午後風呂やりました。優雅じゃね。
日本酒400ccくらいと柚子を4個切ったものを湯船に投入し、
読みやすい文庫を三冊ほど持って。
肌がすべすべになるは、柚子の香りは安らぐわ、素敵です。
本がしんなりするのは玉に瑕。


全く関係ありませんが、地元、三保半島の領主さんは美穂神社の神主さん
だったそうで。神社所轄の地だったんですねぇ。
神主さんというのは急進的だったのかどうだか知りませんが、幕末の頃
動乱のおり、幕府方の兵たちが傷ついて三保に流れ着いたのを当時の
三保神社の主は、いちいち止めを刺して歩いたのだと聞きました。
静岡は、徳川のお膝元という意識が強いだろうになんちゅう惨いことを
したもんだなぁ、と思ったな。
でも、三保の神主さんの一族もその怨み故に、後に館を襲撃されて無残に
殺害されたらしい。本当なら、怖い話だなぁ…。

幕末ついでに幕末関連の本の読みメモが出土したので、まとめる。


1『新選組始末記』子母澤寛 中公文庫
〜聞き書き交えての記述、という「スタンス」で書かれている新選組の物語。
物語として面白い。とりあえず、ここから入るかな、というご本。〜


2.『新選組遺聞』子母澤寛 中公文庫
〜古老の語りを集めて一冊にまとめた雰囲気の本。新選組も生きて動いた
人間なのね、という匂いを嗅ぐのにいい感じ〜


3.『新選組物語』子母澤寛 中公文庫
〜新選組テーマの短編集。沖田さん黒猫斬り発祥の地〜

4.『新選組 100話』鈴木享 中公文庫
〜隊士や周辺の人々を取り上げ、読みやすくまとめたこの一冊って感じ。〜

5.『警視庁草子』上下 山田風太郎 河出文庫
〜明治6年ごろ。旧幕の奉行と生まれたての警察組織が、次々と発生する事件を
めぐり、面子をかけて推理合戦を繰り広げる。…は置いといて、藤田五郎という
お名前の巡査が登場するもんで…。出来心で…。〜


6.『日本剣豪譚〜維新編〜』戸部新十郎 光文社時代小説文庫
〜幕末に活躍した剣客たちのお話。有名どころばかりだが、かっこいい。
伊庭八郎は当然いる。〜


7.『明治剣客伝』戸部新十郎 光文社時代文庫
〜両刀を取り上げられてからの剣客たちのお話。函館で亡くなった伊庭八郎の
弟、惣太郎が取り上げられている。新選組生き残りからは、永倉新八と斉藤一。
斉藤さん、詳しく好意的に書かれていて嬉しい〜


8.『幕末最後の剣客』上下 志津三郎 光文社時代文庫
〜幕末、幕府方について戦い戦死した遊撃隊の伊庭八郎さんの小説。
見所は、作中に表れる学術論文を読んでいる如き徹底した他説批判…かな。
伊庭八ちゃん労咳説とかね。やっぱ、思い入れのなせる業か。
個人的には小説は気持ちよく騙してくれれば良いもので「あれは間違い!」
「それも間違ってる!!」とか言い立てなくてもええじゃん。と思った。
お話の中身で勝負すればいいじゃん。こだわりといえばいいのかなぁ。
あ、ここにちょっぴり出てくる新選組の土方さんが可愛かった。〜


9.『遊撃隊始末』中村彰彦 文春文庫
〜中村彰彦さんは、幕末・会津藩関連の作品を多く出していらっしゃいます。
上記の『幕末最後の剣客』は伊庭八郎もの。メインテーマは人でしょう。
こちらは、幕末という時代を描くために遊撃隊を取り上げたというかんじで
両作品とも伊庭さん登場しますが、双方のスタンスは激しく違うです。〜


10.『幕末遊撃隊』池波正太郎 集英社文庫
〜これは、【伊庭八郎もの】です。”労咳もちで血を吐く若い美剣士の彗星のごとく
潔く壮絶な生涯”というやつですな。江戸っ子にこだわる池波さんの美学ほとばしる
流麗な文章に酔いしれましょう。さすがは、池波さんもの。美味いもの食ってます。
前出『幕末最後の剣客』が指しているのは、これなのかな??
池波さんは新選組ものも結構多いです。新選組ものは、永倉新八、好きなのね〜
という眼差しで見つめております。が、斉藤さんが全く出てこないのは遺憾です。〜


11.『新選組探索方』南原幹雄 福武書店
〜新選組もの。
名探偵、沖田総司が新選組隊内で起きる事件を鮮やかに解決してゆくという短編連作。
探偵助手は、島田魁。
「隊士が不審な死に方をすると必ず俺が疑われる」とうんざりしたように言う
斉藤一が出てきてちょっといい。(…でも、実際は…もごもご。)〜


12.『タイトル不詳』著者不詳 出版社不詳
〜沖田総司一人称(僕)もの。試衛館時代から黒猫斬ろうとするまでの話。
一人称ものは、その人への思い入れが大切ですな。
斉藤さんが世渡り上手のおべっか君に書かれていてちと悲しかったです。
(これは、わしの思い入れってやつですが)沖田さんの純粋さを際立たせる
ための対比として描かれているようで、ちょっとやだ。
ちなみに古本屋で購入したので現在流通しているのかは謎。
購入のポイントはタイトル。笑いのツボにはまりました。タイトルを見て
内容を想像してみると、大体当たっているような話が展開してゆく。〜


…ここだけ、タイトルの記載が抜けている。どの本を読んでそう感じたのか
激しくわからない。部屋を漁ってみようかな。
異界の穴に飲み込まれていなければどこかに在るだろう。

本を溜め込んでしまう癖のある方よ、「本が返事してくれたらいいなぁ」
と思ったことないですか?







恵 |MAIL