夢見る汗牛充棟
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2006年07月31日(月) メノン    プラトン

岩波文庫 青601−6
訳:藤沢令夫

一応読了。
締めくくりで「ええ?」と思った。
置いてけぼりになった気分と申しましょうか。

そうでなくても、教えはない、想起があるのだと言った
あとから延々徳は教えられるかについて考察を進められて
困惑気味だったというのにぃ……。

ええと、メノンという二十歳くらいの美青年がおじーちゃんに
「徳は教えられるもんか否か」
問いかけることから始まった一連の会話。
「知るとは何か」「徳とは何か」

例によって例の如くというか、
「徳とは何かしっていますよ」と豪語する勝気な美青年を
口の減らないおじーちゃんが、あれこれじんわりじわじわ
問い詰めることですっかり混乱させて下地処理完了。
「ほーら、何にもわかってないでしょ?」から再出発。

一応何が何でも腐女子的に読んでみようと思えばできる
シチュエーションではありました。(読んでどうする?)
アニュトス→メノン→ソクラテスで三角にはならんけど。

そういや、途中登場のアニュトスさん。会話の末にぷんすか
怒って退場かと思ったら最後までその場に無言でいたのがおかしかった。
おじーちゃんが何を言うかと気になってやきもきしていたんだろうな
と思うと笑える。

そして、アニュトスが傍で怒っていたから会話を切り上げて
しまったんだろうか、と思ったり。

本文の後の解説がわかり易いので、要点だけ知りたい場合は
本文をすっとばしてそちらを読むといいかもしらん。


知るとは何か。 想起説(アナムネーシス)
幾度となく生まれ変わる魂は本来この世のこともあの世のことも
見て来て経験済み。それを想い起こすことこそが学ぶことに他ならない。





恵 |MAIL