夢見る汗牛充棟
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2006年12月18日(月) ウォルター・スコット邸訪問記  アーヴィング

訳 齊藤昇  岩波文庫

購入。読了。

おもしろかったです。わくわくしました。
自分も一緒にお邪魔して、古き良きスコットランドを
散策しながら、伝説や民話や古謡を聞いているような気分。

語り手が題材に抱く素直な賞賛と敬意が、スコットの土地に
抱く愛情をこれでもかってくらい表現していて気持ちいい。
そんで、まるでたった今もいだばかりの果実みたいに新鮮だ。

自分を育んだ土地の歴史。丘に荒地に川に一本の道にも流れてきた
時間と物語があるわけで。それらで体中を満たすことができ、さらに
それらを表現する言葉を持てるなら、その土地を何よりも愛せるだろうな。
それって、とても羨ましいことだと思う。


さあ、兵士たちよ、 なぜ憂鬱になるのか?
さあ、兵士たちよ、 なぜなんだ。
我らの仕事は死ぬことなのに。
次の戦いで、 もし死ぬならば、
もはや苦しみからは解放される。
だが生きながらえたならば、
また酒とやさしい女性が、
みんなに活力を与えてくれる


真っ暗な陽気っていえばいいのか。いや、多分陽気な真っ暗?
なんとも言いようのない気分の歌で、強烈です。







恵 |MAIL