夢見る汗牛充棟
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2007年10月13日(土) |
ランドマーク世界史8 ロンドン塔 クリストファー・ヒバート |
講談社 訳:清水真砂子
古書店で購入(通販)
読了。
1975年に第一刷発行。
写真や絵図等の資料が多く掲載されていて、本自体も大判なので 見やすく、たいへんけっこうな一冊でした。 古書が探し易くなったという一点だけでもインターネットに感謝ですv
ロンドン塔を一通り、という点では先に読んだ中公新書とかぶりますが こちらは臨場感があるというか物語を読んでいる気分でした。 やさしい文章なので子供向けなのか? と最初思ったのですが 子供向けと言い切るにはちょっと処刑や拷問シーンが具体的で 目の前にしているようで、ちょっと気持ちが悪くなります。これ難点。
ロンドン塔の歴史というと、幽閉と処刑の歴史でもあるわけで そういう描写が少なくありません。
首を斧で斬るってだけでも恐ろしいのに例えば刑罰の告知が こんなんでした。
<――そこで、まず宙吊りつぎにからだが切って落とされる。 次が秘部の切除。切除されたものは火中に投じられ、被告のはらわたも その眼前で焼却。つぎ打ち首。つづいて四つ裂き。その分配は王に一任。 主よあわれみたまえ。アーメン>
あわれみたまえ、アーメン、じゃねえよとか思います。 打ち首では確実に死ねているから、そのあとの四つ裂きだけは痛みを 感じなくてすむでしょうけど。四つ裂きの分配って何さー(泣)
サガかなんかで見たのかな、腹を割いて腸を出し棒にひっかけて 自分で歩いてぐるぐる巻きつけるーとかあったようなー。
切腹なんて可愛いもんだ……と思います。 でも、日本でもあんま恨みつらみが高じて腹かっさばいて自分の 腸つかみ出して憎き仇に投げつけるっつうツワモノがいましたっけー。
ただ、幸運なことに上の宣告をされた方は、本番では減刑されて すんなり打ち首してもらえたみたいです。
でも1586年には実際にそんな処刑が行われている描写がありました。 軽く絞められて、生きたまま下ろされ、四肢を切断され、次には腸を 切り裂かれた――そうです。執行が二日にわたったそう。 どんだけ苦しいんだ。
キリスト教が大きいんだなとつくづく思いました。
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