村上春樹さんの「海辺のカフカ(上)(下)」を読んでいる。 「ノルウェーの森」で、さほど感銘を受けたり感動したりとかはしていなかったので、まさかまた村上作品に手を出すとは自分でも思っていなかった。 が、気が付くとこの作品をレジに運び、そしてまた賞味三日強で上巻を読み終え、下巻を手にレジに向かっていた……。 素直に、まだ途中ではだけど、この作品は「面白い」。 許される限り、いつまでもこの作品を読み耽りたい気持ちになっていた。 そんな時、あわせて鎌首をもたげる気持ち。 「早く読みたい。でも、早く読んでしまうと、終わりがすぐにやってきてしまう」 という、ジレンマ。 懐かしい感情が自分の中に蘇ってきた。 いつの作品以来だろう? 終わりが来るのがこんなにも遠ざけたく思える作品は……。 ……栗本薫さんの「グイン・サーガ」は、別世界の作品として。(苦笑) だってあの作品は、特別でしょう。 栗本さんがこの世にいる限り、きっと終わりが訪れる事はありえないだろう。 なぜなら、この世とは別の世界の歴史ドラマを、栗本さんが並行して書き記しているのだから。
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