床屋に行った。 今日で最後の床屋。 自慢じゃないけれど、床屋で最後まで起きていた事が無い。 今日くらいは、と気合を入れたけれど、やっぱり無理だった。 でも、顔剃りの直前までは意識はあった。 「イス、起こしまーす」 のひと声で、我に返る。 念入りに頭、肩、背中、とマッサージしてくれる。 担当制じゃないところだったけれど、いつもの人にやってもらえた。 「私があたるの、久し振りですよね?」 そうしょっちゅう行ってるわけでは無かったけれど、最後に当たって良かった。
何故だろう?
これ以上無い、幸せの笑みがこぼれて止まらなかった……。
|