自転車通勤も考えもの、とも思える朝帰り。
今の仕事の相方と二人、 「なーんか、叫びながら走り回りたいっすね……。やってもいいっすか?」 「俺は去年の仕事納めで、誰もいない深夜の社内をそれやったぞ……」 「え? まじっすか? 誰もいないの確認しないと、ちょー恥ずかしく無いっすか?」 「ちゃんと、確認したよ。ぬかりは無いさ」 時間は深夜三時過ぎ。 今の自分にとって徹夜や泊り込みなど、負担をかけることはタブーに近い事とはわかっていても、仕事だ、やらねばならん……。 ブチブチと気兼ねなく不平をこぼす相方のぼやきに相槌を打ちながら、自分の分をちまちまと片付けて行く。
「あ〜〜! もう駄目! 寝ていいっすか、俺?」 雄たけびが上がった。 「じゃ、その間に俺は帰るね。もうすぐ片付くから」 「げ! まじで? じゃあ、そこまでにしましょうよ」
土曜はいつもの事でお休みさせてもらうので、 「じゃ、日曜日に」 片手をシュタッとあげると「お疲れ様です〜」とおやすみモードに早くも突入した相方の声が聞こえた。 自転車でぬぼーっと家路に向かっていると、猛烈なだるさと眠気が…… 「げ、ここで切れたか……」 こっそり、やっていたドーピング切れが(本当はこんな事の為にやってはいけないとはわかっていつつも、もたないんだからしょうがない)。 とにかく、こぐ、こぐ、こぐ。 足を止めたりしていたら、一気に意識が飛んでしまう可能性大。 坂道下ってる最中にそんななってクラッシュしたら、洒落にならない。 ああ、まぶたが重い……と、たたかいつつ無事、帰宅。 時計は朝の五時半。 あとは布団にもぐりこみ、ばたんきゅう。 そのまま夜まで寝ていたかったけれど、東京タワーとお買物と、やらねばならない事がある。 姉の旦那さんとそのお母さんがもうすぐ誕生日と言う事で、プレゼントを買わねばならない。 デパートの店員のお姉さんの、アヒル口の笑顔の不自然さと、それでも可愛らしく微笑んでいる姿に見とれながら、プレゼントはゲット。 笑顔って不思議だね。 何の関係も無い人の笑顔をみるだけでも、不思議と自分の胸の中も暖かくなってくる。 そんなお話を描けるようにならないとね。 思わずクスっとなるようなものでもいいから。 そんなこんなな状態の日々で、女神の後ろ姿はおろか妄想すら沸く余裕なし。 年末締め切りの公募原稿、推敲してないし。打ち出しもしていない……。 間に合うのかしらん……。
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