冷たい空気が夜を包みぼっかりと切り抜いた様に月が浮かんでいる昨日満たされたばかりの輪郭が今日にはもう欠け始めている名残り惜し気でもなく淋しげでもなくむしろ誇らしげに今年の終わりと共にその姿を隠し新年の始まりと共にその姿を現す満ちるために欠けてゆく輝きを失うことなく……