会社の忘年会がありました。 年と共に、仕事の全てを忘れてしまいたい今日この頃です。
会社全体の忘年会だったので、全部署の面々が食堂(ホール)に集まり、寿司やらオードブルやらの料理と、景品付のゲームやら……と、盛り上がったようでした。
と、いうのも……。 最初の乾杯と、お寿司を満足するまで平らげるところまでしか参加せず、そそくさとお仕事に戻ってしまったので。 始まる前、上司から「最初に顔出すだけでもいいから、出席しとけよ」と、釘を刺されていた手前、寿司も食べられる誘惑にも負け、顔を出したんだけれど。 席に戻り、仕事に戻っている人間は一握り。 電話は容赦なく掛かってくる。 ちょうど出た電話の相手が、今の物件のお施主様からだった。 担当の上司が現場に出ていて不在、そこで相方の名前が出た。 相方は朝から調子が悪く、忘年会に出るくらいなら帰って休む、という事で帰宅していた。 「体調を崩したようで、早退しておりますが……」 のひと言をこそっと、伝えてみた。 「ああ……。無理させちゃってるからなぁ。そうですか……」 あなたは、かろうじて優しさの欠片を持ち合わせていらっしゃる、いいお施主様です。 何の事情も知らないイチ社員としてだからこそ、言えてしまう牽制攻撃。 そのフリ。 もし、受話器の向こうで舌打ちなんかが聞こえていたら、ガチャンと受話器を叩きつけていたかもしれない……。
まだまだ、救われている……。
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