ええ、ええ、世間じゃ赤と白のコスチューム着た人が溢れているおめでたい日ですよ。 三連休のど真ん中、そしてクリスマスイブ。 そんな最中、自転車漕いで会社に向かう自分の肩が、必要事情に世間の風を切っているような気がしました。
会社にはほんの一握りの人の姿が……。 そして、夜には、自分ともう一人だけ……。 そりゃあ、なにを好き好んで今日のこの日をわざわざ仕事しに来てるんだろう。 せめて今日くらいは休めばいいのに。 夜も更け「さて、帰ろうか……」と思ってもう一人を見やると、まだやる気のようだった。 ポツーンと付いた必要最低限の蛍光灯の下で、お互いのつまみの「シュークリーム」と「アーモンドチョコ」を持ち寄り、男二人で 「メリー・クリスマス!」 「……」 しばし、沈黙。 「やっぱり、これだけはやりたくなかったですね……」 「うん、やりたくなかったね……でも、毎年こんなモンだよ。年越しはちゃんと、大丈夫だよ」 なぐさめになっていない言葉を掛け「俺は、コレで帰るから」と、彼一人を置き去りにして帰宅。
帰りの弁当屋でチキン代わりのから揚げを買い、ささやかなクリスマスを過ごした。 来年こそは……!
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